華やかなイメージのプロ野球。そんな表舞台から今年もひっそりと去っていく選手がいます。
秋になるとドラフトも話題になり新戦力の構想を各球団練ることになりますが、そこで選手登録の枠は限られているので戦力にならないと判断されると容赦なくクビとなってしまうのがプロの世界。
往年の名選手もいずれは引退の時が来ますし、また残念ながら一度も表舞台に立つこと無く去っていく選手など様々です。
球団、選手共に辛い宣告をしないといけない「戦力外通告」。
実はその戦力外通告にも期日があるって知っていました?
そこで今回はプロ野球(NPB)の戦力外通告の期限や第1次と第2次の違いを調査しました。
第1次と第2次の違いは?
プロ野球の戦力外通告の期日
プロ野球の戦力外通告には「日本プロ野球選手会」と「セ・パ12球団」との間で話し合われた結果、期日が決まっています。
しかも期日は2段階に分かれており、
- 第1次通告期間:10月1日から全球団のレギュラーシーズン終了の翌日まで
- 第2次通告期間:クライマックスシリーズ全日程終了翌日から日本シリーズ終了翌日まで。
ただし日本シリーズ出場チームは日本シリーズ終了の5日後まで。
と決められております。
各球団は上記の定められた期間内に選手に来季の構想外の選手に対しては戦力外通告を出す(来季の契約を結ばない)ことを伝える必要があります。
ちなみに1年間の契約は2月1日から11月30日までと定められているので選手には戦力外通告を出す=即クビではなく、11月30日までの給与は支払われます。
なので第1次でも第2次でも球団側からすると早く戦力外にしたからと言って1ヶ月分の給与を払わなくてよいなどということはなく、支払いに変わりなしです。
なぜ、この2つの違いがあるのでしょうか?
それが次になります。
プロ野球 第1次と第2次戦力外通告期間の違いとは
なぜ、同じ戦力外通告をするのに第1次と第2次があるのか気になる人も多いのではないでしょうか?
調査したところ、一般的には早く次の就職先を探させてあげたい。
という球団側の最後の優しさがあります。
私個人的には第1次での発表は育成選手含めまだ若い選手が多い傾向にあると感じています。
また実績あるベテラン選手の引退表明が早い理由としては消化試合で引退試合を行うなどもありますが、コーチとしての就職先を考えてのケースが多いです。
契約期間の11月30日を過ぎて別の球団との契約交渉が可能なのが自由契約ですが、契約期間終了までに選手としては戦力外通告を受けた時からまだ現役でやりたいという旨を各球団に伝えることができます。
なお、戦力外通告を受けた選手との契約は、機会平等化の観点から当該年度の第1回合同トライアウト終了後に解禁されます。
その後の12球団合同トライアウトや秋季キャンプに参加して新しい所属先を探すことで現役のチャンスを掴もうとします。
逆に第2次戦力外通告の期間に宣言される選手としては過去に大活躍したビッグネームなどが挙がってくる期間だと個人的に感じます。
また、野球協約に定める減額制限を超える年俸提示を行う場合の通告により選手が自ら自由契約を選択できることになるのもこの期間での発表が多いので選手としても、また選手の家族にとっても辛い時期かもしれません。
戦力外通告になった選手やその妻たちを取材するドキュメンタリーは毎年、プロの厳しい現実を突き詰められますし、いかに活躍し続けることが難しいかが分かります。
みんな高校時代は「エースで4番」みたいな選手が集まってくるところですからね。
松坂世代の選手もどんどんいなくなるし寂しいですが、新しい選手の登場もあるので複雑な心境。
巨人のサードは村田選手が戦力外で抜けて結果、岡本選手が覚醒したので良かったという意見もありますが、やはり寂しい。